白國神社の御由緒
白國神社(しらくにじんじゃ)は、古代・播磨国飾東郡『飾磨郡白国村』に所在し、延喜式内社として『播磨国風土記』にもその名をとどめる格式の高い古社です。
社伝によれば、第12代景行天皇の皇子・稲背入彦命(いなせいりひこのみこと)がこの地に下向し統治を始めた際、その子孫・阿曽武命(あそたけるのみこと)の妃・高富媛(たかとみひめ)が出産の際に苦しんでいました。
そこで阿曽武命は倉谷山に白幣を立て、木花咲耶姫命(このはなさくやひめ)=神吾田津日売命(かんあだつひめのみこと)を祀り安産を祈願したところ、女神が現れて安産が叶ったことから社殿を建立して祀ったことが伝わっています。
白國神社の御祭神
- 木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと) – 安産と生命の女神。火の神として国土守護の象徴。
古 事 記:神阿多都比売(かむあたつひめ)
播磨風土記:許乃波奈佐久夜比売命(このはなのさくやびめ/このはなさくやひめ)
- 稲背入彦命(いなせいりひこのみこと) – 景行天皇の皇子で播磨国造の祖。地域統治と岩坐の守護。
- 阿曽武命(あそたけるのみこと) – 稲背入彦命の孫。安産祈願を行った英雄的存在。
白國神社の御利益
安産・子宝・育児のご利益が最も有名で、撫で戌や産道絵馬など安産祈願の風習が息づいています。
播磨四ノ宮として朝廷・武門からの崇敬も篤く、家内安全や健康、地域鎮護の信仰も集められています。
白國神社の詳しい所在地
- 住所:兵庫県姫路市白国5‑15‑1
- アクセス:JR播但線「野里駅」から徒歩約10分、または播但連絡道路『豊富ランプ』から車で約15分。
- 参拝時間:社務所 9:00~16:00
- 駐車場:境内脇に無料駐車場あり。
サクナダリの感想
緑深い参道を進むと、目に映る撫で戌や『産道絵馬』のユニークな構成に、自然と心が和みます。
安らぎの中にも、古代の信仰が息づく歴史の香り。女性守護の神社として、母と家族の命を大切にする温かい気持ちが胸に広がります。
地域に根づいた古社の懐の深さと、命を繋ぐ祈りの循環を、身体全部で感じられる場所でしたよ。
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